実験したンゴ

 

 

メニューを載せてくれている人のブログを見るだけなのもなんか申し訳ないので、自分も何か書くことがないかと思い、授業でやった実験の結果を載せようと思いました。自由研究に毛が生えた程度なので適当に読み飛ばしてクレメンス

 

 

 

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↑これが報告書的なやつ、読む価値は一切無いので下にまとめます。

 

 

 

 

まず、これが何を目的とした実験かというと、「自転車フレームに1番適した形状を探す」というものです。ただ、ゴリゴリのヒルクライムでなければカムテール形状が1番良いというのは何となく想像できるので、「カムテール形状が他の形に対してどのように優位であるか、カムテール形状にすることでどのような利点があるのか」を調べることにしました。

(カムテール形状というのは、翼断面形状の後端を切り落としたような形のことです↓)

 

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今回調べたいのは

・カムテール形状が翼断面形状と比べて空力性能が劣らないというのは本当か

・カムテール形状が翼断面形状に比べて横風に強いのは本当か

ということです。(これらの利点は本に書いてあった)

 

今回の実験では、円形、翼断面形状、長さの違うカムテール形状(翼断面の後ろ1/4、1/2を切り落としたもの、ここでは「長いカムテール形状」「短いカムテール形状」と呼ぶことにします)の、計4つの断面形状を使用しました。断面形状といってもフレームには色々な部分があるので、今回は主にシートポストを指すことにしますが、概ね他の部分にも当てはまると思われます(知らんけど)。

 

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↑左から順に、丸型、短いカムテール、長いカムテール、翼断面です。

 

 

 

 

[実験方法]

 

まず、3Dプリンターで、上の4種類の断面形状をした柱状の模型を4つ作ります。

 

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↑こんな感じ

 

3Dプリンターは初めて使いましたが、コストがバカにならないです。この4つを作るのに30時間、1つ4000円とかするらしいです。カーボンの特注DHバーがアホみたいに高いのも納得。

 

次に、この4つを風洞にぶち込んで風洞実験を行います。

 

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これに風を当てていきます。本当はレイノルズ数というものを合わせたりしないと条件が一致しないのですが、装置の都合で不可能だったので今回は無視しました。自転車が時速100km近くで走っていることになってしまいますが、まあ気にしないでください。下りなら頑張れば出るので(汗)

 

まあ、今回は形状による差を見たいわけであって、具体的な抵抗値を測ることは出来ないので、「この形が1番空力がいいんだ」、くらいに思って下さい。本当はもう少し形状による空気抵抗の差が小さくなるはずです。

 

ちなみにこんなガバガバですがよく出来てる方らしいです。

 

風邪を当てる時、角度も変えていきます。0度から20度まで、5度刻みで。現実世界では進行方向とは別に風が吹いているため、ヨー角が大体10度とかそこら辺になるらしいです(詳しくは図3を参照)。

 

これで、進行方向にかかる力を測定するという訳です。

 

 

 

 

[実験結果]

 

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まず、これが真正面(ヨー角0度)から風邪を当てた時の、進行方向にかかる力の大きさ(空気抵抗)です。やはり縦に長い形状ほど空気抵抗が少ないという結果になりましたが、注目したいのは、長いカムテール(模型3)と翼断面(模型4)の空気抵抗がほとんど変わらないことです。

 

このことから、長いカムテール形状のフレームにすることで、空力性能を犠牲にすることなく、軽量化できることがわかります。

 

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そしてこれが、角度を変えていった時の空気抵抗の増加の割合です。注意して欲しいのが、縦軸は抵抗の値ではなく、角度が5度の時の抵抗値を1として、相対的に表しています。丸型は角度を変えても抵抗値が変わる訳がないので外しています。

 

これを見ると一目瞭然、カムテール形状の2つの抵抗があまり増加していないのに対し、翼断面は大きく増加しています。カムテール形状が横風に強いということが言えました。

 

 

 

[まとめ]

 

・カムテール形状は、ある程度の長さがあれば後端が切り落とされていても空力性能は変わらない

・カムテール形状は横風に強い

 

ヒルクライムとかでなければ、カムテール形状が軽さと空力を一番両立した形であるため、コースに適した長さのものを選ぶのがベストだと実験から確認することが出来ました。

 

そういえば、自分と岳の自転車は同じグレードのものですが、2019の自分のシートポストは翼断面っぽいのに対し、2021?の岳のシートポストはカムテールになっていました。最近自転車屋に行くと嫌と言うほど見かける気がします。

 

「短いカムテール」は石井さんの協力によりSL6の形に近づけましたが、SL7はもっと縦に長くなっているらしいです。あれで空力がいいってのも納得です。

 

反対に、室内を想定したピストは、横風とか軽量を考える必要がないので翼断面が多いのでしょうか?T4は後端がほんの少し切り落とされているだけで、アルゴンも確か?ほぼ翼断面だった気がします。単純に少し昔のだから説もあるけど

 

 

 

長々と読んで頂き、ありがとうございました。取り敢えず言えることとしては、丸型シートポストは1番空力が悪いので使っている人は速攻切り落としてください。そしてもっと言えることは、そんな空力なんて微々たるものなので、気にする暇があったらよりエアロなポジションを探した方がいいということです(自戒)。